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伝統のクリスマス市 「危機の欧州」癒やす 街の彩り

2012年12月14日

欧州の街角で今年もクリスマス市の季節がやってきた。ドイツの首都ベルリンでは11月26日、市庁舎近くにツリーや室内を彩るオーナメント(飾り)やお菓子などを並べた屋台がオープンした。

 伝統的なクリスマス市には定番の工芸品だけでなく、時代にあわせた新商品も登場する。AP通信が伝えたベルリンのクリスマス市の写真では、カラフルな星をかたどった現代的なデザインの電飾を店頭の女性が箱詰めしている。こうしたおしゃれな電飾は、自宅前の街路を歩く人々からみえるように、窓の近くに飾り付けることが多い。クリスマスを迎える喜びを街全体でわかちあっていくのが、欧州人の習わしだ。

 経済危機に見舞われている欧州では、最大の経済大国であるドイツでも消費の落ち込みが続く。ロイター通信が伝えた市場調査会社GfKの12月の消費動向指数は、11月よりも0.2ポイント落ちて5.9となった。ただ、消費者にとってクリスマスプレゼントは例外扱いらしい。市場調査会社デロイトによると、ドイツでは今年のクリスマス・プレゼントの購入額は前年比で7%増だという。

長い夜を堪能

 ロイター通信によると、仏東部ストラスブールでも11月24日からクリスマス市が始まった。1570年から続き、欧州最古とされる伝統を持つが、ここでも屋台とヴァン・ショー、そしてメリーゴーラウンドは欠かせない存在だ。

 日本よりも緯度の高い12月のフランクフルトやストラスブールでは午後4時にはあたりが暗くなってくる。長い夜をゆっくり堪能できるクリスマス市は、欧州の人々が愛してやまない年末の風物詩なのである。