さまざまな製品の分解/修理マニュアルを公開している米国 iFixit は、米国 Apple が販売を始めた従来モデルより小さな7.9インチ画面の新型タブレット端末「iPad mini」の分解手順などを公開した。iFixit は分解/修理のしやすさを「Repairability Score」という10段階スコアで評価しており(1が最も難しく、10が最も簡単)、iPad mini のスコアを2とした。その理由は、LCD パネルとフロント ガラスが融着していないものの、画面全体がケースに接着されているほか、バッテリや基板、ヘッドフォン ジャックなどが同じように接着されているからという。
iPad mini は Apple の設計思想を踏襲しており、その影響で部品の交換が難しいそうだ。そのため、iPad mini のバッテリを交換するには99ドルかかり、この手数料は329ドルという本体価格からすると非常に高いという。
分解時に緩める必要のあるネジの一部はカバーの下や細い隙間の下に隠されていて、見つけるのに手間がかかる。また、極めて小さいネジも使われ、iFixit はこれまで出会ったなかで最も小さなネジが使用されていたとしている。
これまで多くの部品供給を韓国 Samsung Electronics から受けていた Apple だが、ここにきて Samsung 離れの方針とのうわさが流れている。ところが今回 iFixit が分解した iPad mini の LCD ドライバ LSI は Samsung 製だったため、LCD パネルが Samsung 製の可能性もあるとみる。また、スピーカーは2つ搭載しており、ステレオ対応となっている。パソコンなどとの接続に使う新コネクタ「Lightning」の部品は、基板に半田付けされていた。
AppleはiPad miniの内蔵バッテリーを「16.3Whリチャージャブルリチウムポリマーバッテリー」としているが、iFixitが分解したiPad miniのバッテリーには「3.72V、16.5 Whr、4440mAh」と印刷されていた。いずれにせよ、第4世代iPad (42.5 Whr)、iPad 2 (25 Whr)のバッテリーよりもずっと小型である。
パーツの固定に接着が多用されていて、また極小のネジが使われているなど、壊さないように分解するのが難しく、修理しやすさを「2点」(10点満点)と評価している。これは第3世代iPad (Wi-Fi+Cellure)と同じスコアで、第5世代iPod touch (3点)やiPhone 5 (7点)よりも低い。
修理困難のため、iPad mini保護ケース、iPad mini保護フィルム、iPod touch 5保護ケース、iPod touch 5保護フィルムでiPad mini, iPod touch 5を守るようおすすめ。
ちなみに、iPad mini とよく比較される他社製タブレットの Repairability Score は、米国 Amazon.com 製「Kindle Fire HD」、米国 Microsoft 製「Surface」、および米国 Google 製「Nexus 7」が7で iPad mini より分解/修理しやすい。